「37シグナルズ」といえば、「Ruby On Rails」の開発者、David Heinemeier Hansson(DHH)が在籍していることで有名。代表的な製品は、Basecampというプロジェクト管理ツール。日本ではあまり知られていないけど、海外では人気がある。約300万人のユーザーがいて、100万ドル以上の利益を上げているとか。
では、300万ユーザーを抱えるサービスを、37シグナルズは何人で運営しているか? 答えは、16人。しかも、37シグナルズの運営するサービスは、Basecampだけではない。
37シグナルズのように、わずかな人数で大きなビジネスを行うにはどのような考え方が必要なのか? それを、本書から学ぶことができる。
「計画は予想にすぎない」など、ものを作る際の考え方はアジャイルっぽい(計画よりも、変化への対応を重視する)。
一方、「新興企業ではなく企業を始めよう(Start a business, not a startup)」など、ビジネスの基本的な部分では堅実な印象を受ける。Webサービスのスタートアップ的な「サービスのユーザーをどんどん増やすのが当初の目標。収益化の方法は後で考える」というモデルとは大きく異る。
コンパクトで完成度の高い製品を作ることで、無駄を排して高い利益を上げる、という37シグナルズのスタイルは、多くの企業が見習うことができる仕事の哲学だと思う。
主張がシンプルで、文章も切り詰められているので、とても読みやすい。
原書のKindle版も安いので、英語が読めるKindleユーザーはこちらの方がおすすめ。平易な英語なので英語の教材としても良い。
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。